Fri, November 05, 2004

光陰矢の如し

大学時代過ごした校舎が取り壊され新校舎に生まれ変わると聞いて、現校舎最後の文化祭に遊びに行ってきた、そのためだけに仙台から上京してきた学生時代からの悪友と共に。

既に仮校舎用のプレハブが出来ていて、あたしが通っていた時の面影は大分薄れていたけれど、一度学科棟の中に入ると、そこは勝手知ったる校舎のままだった。
「その先は立ち入り禁止ですよ〜」という学生を尻目に、すたすたと技術管理室へ足を運ぶと、レイアウトは大分変われども、そこには懐かしい顔ぶれが揃っていた。

研究室やスタジオの中で会話していると、一気に学生時代へとタイムスリップする。
その空間にははまるで昨日までそこに自分が居たのではと錯覚するくらい、「あたりまえ」の空気が漂っていた。
そのせいか、文化祭に遊びに行ったはずなのに、催し物も展示物も何も観ないまま、あっという間に時間が経ってしまい、教授陣に挨拶をし、校舎を後にする。

少し散策しようと、その昔慣れ親しんだ街並みを闊歩する。
あの時よく通っていた店のいくつかは、既になくなっていて少し寂しい気持ちとともに、「ああ、やっぱり時は流れていたんだな」と思い知らされる。

『あの店はまだあるかな?』悪友のその言葉をきっかけに、昔の記憶を掘り返しながら、「もしなくなってたらショックだなぁ」という不安感と共に街並みをすり抜けていく。

角を曲がった先にあるマンションの地下にある隠れ家のような喫茶店は・・・・

そこに昔と変わらぬ姿で存在していてくれた。

昔と変わらぬ店内、壁一面に様々なカップが並べられている。
ただ、少し変わったのは無垢板張りの店内の壁が年月を経たことによって、とてもいい色になっていた。

『カップはどれにしますか?』
ずらりと並んだカップを見渡していると、端の方に見覚えのあるカップがあった。
『なつかしい・・・・』
思わずつぶやくと、
『このカップでよく飲んでらっしゃいましたよね』
とママさんの一言。
覚えていてくれてたということにただただ驚き感激する。
『じゃあ、そのカップでお願いします。』

そして、目の前に運ばれてきたカフェオレ

またしても、一気に学生時代の記憶が蘇る。

懐かしい話を悪友と繰り広げていると、
『卒業の時、メッセージ書いていきました?』
と質問される。
『いやぁ・・・書いたような、書かないような・・・・』
あやふやな記憶をいくらたどれども、それについてはシナプスは繋がってくれないようだ。

『その年代なら、初めて書いてもらった年のはずだから、一応持ってきてみましょうか』
店の奥から、マスターが一冊のアルバムを持ってくる。
アルバムの表紙を開き、一番最初の見開きページを見ると、そこにはやたらと見覚えのある文字で書いてあるメッセージがしっかりと貼られていた!10年前の日付と共に確かに自分のサインが書いてある。悪友のメッセージもしっかりあった。
2人とも全く身に覚えが無いのに(笑)

『10年後に見せてあげるねと言っていたんですけど、本当に10年後に来てくれた初めてのお客さんですよ。』
ママさんが嬉しそうに微笑んでくれる。
『その時の約束だから、チーズケーキをご馳走しますね。』
と、鎌倉山のチーズケーキをマスターが切り分けてくれた。

「あのお店まだあるかなぁ?」なんて失礼なことを言いつつふらりと立ち寄った店で、こんな10年越しのサプライズが有るとは全く思ってなかった。

是非10年目のメッセージを書いていってくれというので、10年前の自分のメッセージと照らし合わせながら名刺サイズの紙に書き込んでいく。
そして、アルバムの保護フィルムをはがし、自分の昔のメッセージの上に重ねて挟んだ。
『10年はあっという間でしたか?』
『ん〜色々有ったような、自分も歳をとったなぁと思うような・・・・でも、あっという間だったかもしれません。』
いろんな思いが渦巻きつつ、そんな月並みな台詞を言ってしまっていた。

『それじゃ、また10年後に遊びに来てくださいね。』
マスターとママさんの笑顔に見送られながら、その店を後にした。

Posted by Aya at 01:29 AM
コメント

なんか、ドラマを見たような気分になりました。

いい経験をされましたね。うらやましい。

Posted by: 零時 at November 6, 2004 01:26 AM

細部を大分はしょって「脚色」していますから、
ドラマの様に感じられてしまったのかもしれませんね(笑)

中学や高校時代というのはとても遠く感じるのに、なぜが大学時代だけはさほど昔と感じることが無くて、未だに学生気分が抜けない自分が居ます。

たった半日なのに、とても密度の濃いいい時間を過ごせた日でした。

Posted by: Aya at November 6, 2004 03:37 AM

か、かなりいい話でした・・・。
私は大学ではなくて同じ感じを高校時代に
対して持っています。

いつまでもそんなに時間がたった気がしない。

そして時々友達や夫と寄ってしまう校舎。

しかも校舎はうちも建て替え中・・・笑。

ちょっと自分に重ね合わせて読んでしまいました♪

Posted by: kiko at November 9, 2004 04:03 AM

思い入れのある「時代」ってありますよね。
その時代の友達とは今でも腐れ縁が続いてる。

きっと60になっても、「ついこの間だった」とか言ってるんだろうなぁ(笑)

Posted by: Aya at November 12, 2004 11:29 AM